シニアの賃貸で非常用トイレを備える|断水時に流さない判断
地震の直後、蛇口から水が出ても、集合住宅のトイレは流さないほうがよい場合があります。見えない排水管が壊れていると、上の階で流した汚水が下の階であふれるおそれがあるためです。 横浜市と東京都は、排水管の安全や復旧を確認できるまで水を流さず、携帯トイレや簡易トイレを使うよう案内しています。管理会社から使用再開の連絡が来るまでは、「水が出るから大丈夫」と判断しないことが大切です。 携帯トイレは、便器に袋をかけて凝固剤などで処理する製品です。内閣府の防災情報では、成人の平均排泄回数を1日5回とし、1人1週間で35回分を備える目安が示されています。 入居前に、①管理会社の連絡方法、②必要な回数、③座って使えるか、④使用済み便袋の保管場所、⑤自治体の廃棄ルール、の順に決めます。災害が起きてから初めて袋を開けるのではなく、平常時に未使用品で手順を試しましょう。
水が出ても管理会社の確認前はトイレを流さない
大地震では、建物内や地中の排水管が損傷しても、室内から見えないことがあります。東京都のマンション防災資料は、上階が気付かずに流すと下階で汚水があふれるおそれがあるため、排水管の復旧確認まで流さないよう示しています。
まず身の安全を確保し、管理会社、管理人、防災センターからの放送や掲示を確認します。連絡が取れない場合は、勝手に試し流しをせず、建物ごとの災害マニュアルと自治体の下水道情報を見ます。
浴槽の残り湯を便器へ入れれば必ず流せるとは限りません。排水設備が傷んでいると被害を広げることがあります。トイレだけでなく、浴室、洗面台、台所の排水も、管理会社の点検が終わるまで控えるよう案内される場合があります。
見学では、非常時の排水確認を誰が行い、住民へ何で知らせるかを聞きます。館内放送、掲示板、メール、連絡アプリなど、本人が確認しやすい方法かを比べます。
1人35回分を目安に使う人数から計算する
備蓄数は「1日5回×人数×7日」で考えます。1人なら35回分、2人なら70回分が1週間の目安です。服薬などで回数が多い人、家族が泊まりに来る人は、自分の普段の回数を数えて上乗せします。
商品は袋と凝固剤が1回分ずつ組になっているか、別々かを確認します。「30個入り」でも、袋だけ、凝固剤だけでは必要回数を満たさない場合があります。使用期限、箱の大きさ、手袋の有無も見ます。
保管場所はトイレの近くで、床から立ち上がらず手が届く棚が便利です。ただし湿気が多い場所や、日光・高温を避ける必要がある製品もあります。箱の表示に従い、期限と個数を年1回は確認します。
候補商品を比べるときは、1回分の袋の開きやすさ、便器への固定、凝固までの待ち時間、消臭性、使用期限、箱の重さを確認します。価格だけで決めず、手の力が弱くても一人で扱えるかを優先します。
未使用品で座り方と袋の閉じ方を練習する
災害時に慌てないため、便器がきれいな状態で未使用の袋をかけ、説明書の順番を確認します。製品によって袋を重ねる枚数や凝固剤を入れる時期が違うため、共通の手順だと思い込まず、箱の説明を優先します。
便座へ座るときに袋がずれないか、立ち上がる際に手すりを使えるかを見ます。袋が床へ広がると足を取られることがあるため、余った部分を通路へ垂らしません。夜間に使えるよう、足元灯と使い捨て手袋も近くへ置きます。
排泄物を袋へ入れることに不安があり、水分を控えるのは避けます。内閣府は、トイレをためらって飲食を控えると、栄養状態の悪化や脱水などにつながるおそれがあると注意しています。持病がある人は、災害時の水分や排泄について主治医へ事前に相談してください。
介助が必要な場合は、誰が袋を交換し、本人のプライバシーをどう守るかを家族と決めます。手袋、消毒用品、体を拭く物も合わせて一つの箱へまとめます。
使用済み便袋の置き場所と廃棄先を先に決める
使用後は製品の説明に従って袋をしっかり閉じ、においが漏れにくい外袋へ入れます。食品や飲料水、居室の近くを避け、倒れにくく、子どもやペットが触れない一時保管場所を決めます。
災害時は普段どおりにごみ収集が来るとは限りません。使用済みの携帯トイレを平常時の分別だけで捨てず、自治体が災害時に示す分別、回収日、集積場所に従います。管理会社が建物内の仮置き場所を決める場合もあります。
見学時には、ベランダや共用廊下へ置いてよいと決めつけず、建物の保管ルールを確認します。避難経路をふさぐ場所、火気の近く、直射日光が当たる場所は避けます。非常時のごみ置き場が未定なら、決め方と連絡方法を尋ねます。
決め手は、人数分の備蓄が室内へ無理なく収まり、本人が袋を扱えることです。保留点は、排水再開の連絡方法と使用済み便袋の仮置き場です。次の確認先は管理会社と自治体の清掃・防災担当で、建物と地域のルールを入居前に控えておきましょう。
まとめ
集合住宅では、水が出ても排水管の安全が確認されるまでトイレを流さない判断が必要です。携帯トイレは1日5回として、1人1週間35回分を目安に備えます。未使用品で袋のかけ方と閉じ方を試し、手袋、足元灯、消毒用品もまとめておきます。使用済み便袋は密閉し、食品や避難経路から離して一時保管し、自治体と管理会社が示す災害時の分別・回収方法に従ってください。
よくある確認事項
断水していなければ地震後もトイレを流せますか?
水が出ても、排水管が壊れている可能性があります。集合住宅では管理会社の点検と使用再開の案内があるまで流さず、携帯トイレを使ってください。
一人暮らしでは何回分を備えればよいですか?
1日5回として、最低3日分なら15回分、できれば1週間の35回分が目安です。普段の排泄回数が多い場合は、その回数に合わせて追加します。
使用済みの袋は燃えるごみに出せますか?
災害時は通常と回収方法が変わることがあります。袋を密閉して一時保管し、自治体と管理会社が案内する分別、回収日、集積場所に従ってください。
携帯トイレは購入後すぐ箱のまま保管してよいですか?
まず未使用品で袋のかけ方と閉じ方を試し、必要数と使用期限を確認します。手袋、消毒用品、足元灯も近くにまとめ、年1回は個数と状態を見直します。
参照情報
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