Villageナビシニアの住まいコラム
賃貸の基礎知識

シニア賃貸のIT重説|画面・書類・家族同席の準備

賃貸住宅を借りる前には、宅地建物取引士から物件や契約条件について重要事項説明を受けます。これをパソコンやタブレットなどの画面越しに行うのが「IT重説」です。遠くに住む家族が同席しやすく、店舗への移動も減らせます。一方、声が聞こえにくい、書類の文字が小さい、操作に気を取られて質問できない、といった困りごとも起こります。契約内容は住み始めてからの生活と費用に直結します。当日あわてないよう、準備と確認方法を一つずつ見ていきましょう。

IT重説は対面と同じ内容を画面越しに確認する

IT重説は、映像と音声を使って重要事項説明を受ける方法です。国土交通省のマニュアルでは、説明を受ける人が宅地建物取引士の顔や宅地建物取引士証を確認でき、説明を聞いて質問できる環境が求められています。電子書面の利用とは別の仕組みなので、IT重説でも紙の書類を使えます。

オンラインを選んだからといって、紙を断る必要はありません。画面上のPDFを読むのが難しければ、重要事項説明書を事前に郵送してもらえるか相談しましょう。電子書面を使う場合も、事業者は提供方法を示して本人の意思と承諾を確認することになっています。自分が読みやすい形を選ぶことが大切です。

前日までにそろえる物と接続確認

用意するのは、画面が見やすいパソコンまたはタブレット、充電器、イヤホン、重要事項説明書、筆記具、眼鏡です。スマートフォンだけでも受けられる場合はありますが、図面や細かな文字の確認には大きな画面が向きます。事業者から届いた接続先、開始時刻、担当者名、緊急連絡先も紙に控えておきます。

前日までに家族や事業者と試しにつなぎ、顔が映るか、互いの声が聞こえるか、書類を同じページで見られるかを確認します。Wi-Fiが不安定なら、通信が安定する部屋へ移す、有線接続を使うなどの準備をします。端末は充電し、通知音を切っておくと説明に集中できます。

家族同席は事前に人数と接続方法を伝える

家族が別の場所から同席したい場合は、勝手に会議URLを転送せず、事業者へ事前に伝えます。本人、家族、説明担当者の三者が接続できるか、家族への書類共有はどうするかを確認してください。本人の意思を置き去りにしないため、質問役やメモ役など家族の役割も決めておくと進めやすくなります。

たとえば本人は説明を聞き、同席する娘は費用と退去条件をメモする、と分けます。家族が本人に代わって即答せず、まず本人の理解と希望を確かめることも大切です。

当日は止めて聞く・印を付ける・結論を急がない

説明が始まったら、最初に担当者の氏名と宅地建物取引士証を画面で確認します。次に、物件の設備、禁止事項、家賃以外の費用、契約期間、更新、解約予告、原状回復、特約を順番に見ます。分からない言葉が出たら「その言葉を短く説明してください」「今の箇所をもう一度お願いします」と止めてかまいません。

気になる箇所には付箋やページ番号を付け、質問と回答をメモします。例として「退去の何日前までに連絡するか」「高齢者向け見守りサービスは必須か」「緊急連絡先の変更方法は何か」を確認します。その場で判断できない特約は、回答をメールでもらい、家族と読み直してから次の手続きへ進みましょう。

録画は無断で行わず許可を取る

あとで見直したくても、画面や音声を無断で録画・録音するのは避けます。国土交通省の利用者向け案内も、録画や録音をするときは相手方の了承が必要だと案内しています。希望する場合は開始前に目的、保存期間、共有する人を伝えて許可を取りましょう。許可が得られないときは、質問への回答をメールで残してもらう方法があります。

聞こえない・映らないときは中断し、対面も選べる

音声が途切れる、画面が固まる、書類が読めない状態で説明を続けないことが重要です。まず中断を求め、再接続や端末変更を試します。それでも直らなければ日時を改めます。オンラインで最後まで受けることを無理に選ぶ必要はなく、対面での説明を希望できます。

耳が聞こえにくい場合はイヤホンや字幕機能が使えるか、家族の補助が認められるかを事前に相談します。視力に不安があれば拡大した紙資料を依頼します。準備しても理解しにくい、通信に不安が残る、本人が落ち着かないときは、対面へ切り替えるのが安全です。

困ったときの確認先

接続方法や書類の受け取り方は、まず仲介会社や貸主側の担当者へ確認します。制度の取扱いは国土交通省のIT重説相談窓口、契約トラブルは消費者ホットライン188、法律上の判断が必要なときは法テラスや弁護士への相談も検討します。相談するときは、重要事項説明書、契約書案、メール、質問メモを手元に置くと説明しやすくなります。

まとめ

IT重説は移動の負担を減らし、離れて暮らす家族も同席しやすい方法です。大きな画面、紙または電子の書類、接続テスト、質問メモを準備し、聞こえない・読めないときは必ず止めましょう。録画には事前の許可が必要です。オンラインが合わないと感じたら、対面での説明を希望できます。住まい探しでは、説明方法だけでなく、入居後の生活や支援も含めて比較しましょう。

よくある確認事項

IT重説でも紙の重要事項説明書を使えますか?

使えます。IT重説と電子書面は別の仕組みです。画面上の書類が読みにくければ、紙を事前に送ってもらえるか事業者へ相談してください。

家族が別の場所から同席できますか?

事業者の使用する会議システムが複数人接続に対応し、事業者が同席を認めれば可能です。事前に人数、接続先、書類の共有方法を伝えて確認しましょう。

説明を録画してもよいですか?

無断録画は避け、開始前に担当者の了承を得てください。認められない場合は質問と回答をメモするか、回答をメールで送ってもらいましょう。

途中で声が聞こえなくなったらどうしますか?

その場で中断を求め、再接続や端末変更を試します。改善しなければ日時を改めるか、対面での説明へ切り替えてください。

IT重説を断って対面にできますか?

できます。オンラインが不安、資料が読みにくい、操作が難しいなどの場合は、早めに対面を希望すると事業者へ伝えましょう。

参照情報

国土交通省 ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について確認日:2026-10-13
国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(IT重説・書面電子化マニュアル)確認日:2026-10-13
国土交通省 重要事項説明書等の電磁的方法による提供・IT重説(消費者向け)確認日:2026-10-13
国土交通省 不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります確認日:2026-10-13

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