Villageナビシニアの住まいコラム
賃貸の基礎知識

シニア賃貸の玄関・廊下採寸|歩行器と車いすの通り道を確認

シニア賃貸の玄関・廊下採寸では、壁から壁までの幅だけを測っても十分ではありません。歩行器や車いすが通れるかは、扉を開けたときの実際の幅、敷居、曲がり角、靴や家具を置いた後の残り幅で変わります。 内見前に使っている用具の最大幅と長さを測り、当日は建物入口から居室、寝室、トイレまでを同じ順で確かめます。国の設計指針は参考になりますが、既存の賃貸住宅がその寸法を満たすと決めつけず、本人の動作と実測を優先しましょう。

先に歩行器・車いすの実寸を測る

住宅を測る前に、普段使う歩行器や車いすの最大幅、全長、高さを測ります。車いすは車輪やハンドリム、歩行器はブレーキや荷物入れが最も外側になることがあります。たたんだ寸法ではなく、使用中の状態を記録してください。

国土交通省の「障害者の居住にも対応した住宅の設計ハンドブック」は、基本レベルの検討で全幅530~670mm、全長800~970mm程度の車いすを想定しています。同時に、異なるサイズや性能の車いすでは示された水準で対応できない場合があると注意しています。数値を合否の線にせず、自分の用具を測る理由がここにあります。

本人が方向転換するときに足を出す、介助者が後ろに立つ、酸素機器や荷物を付ける場合は、その動作に必要な空間も写真とメモに残します。可能なら福祉用具専門相談員や担当の介護支援専門員へ内見前に相談します。

建物入口から居室まで一本の経路で見る

採寸は住戸の玄関だけで始めません。道路から建物入口、オートロック、共用廊下、エレベーター、住戸玄関まで順に歩きます。途中に一つでも通れない扉や段差があれば、室内が広くても日常の出入りが難しくなります。

国土交通省の高齢者住宅の設計指針は、住戸への経路を歩行と車いす利用に配慮した形状・寸法とすること、玄関ではベンチ等を置ける空間や上がりかまちへの配慮を示しています。ただし、これは内見中の物件が適合している証明ではありません。

エレベーターは入口幅だけでなく、かごの奥行き、操作盤の位置、扉が開いている時間も確認します。共用部の私物設置や一時駐車は管理規約に関わるため、歩行器や車いすの置き場所を勝手に決めず、管理会社へ確認してください。

扉は開けた状態の有効幅を測る

玄関や室内扉は、枠の幅ではなく、扉を普段どおり開けた状態で通れる最も狭い部分を測ります。開き戸では扉の厚みやドアノブ、引き戸では引き残しが通路を狭くします。床の見切り材や敷居の高さも別に記録します。

国土交通省の告示には、日常生活空間の通路について有効幅780mm、柱などの部分は750mm以上とする基準例があります。玄関や浴室の出入口は扉の厚みや引き残しを考えるとされています。この数値もすべての賃貸住宅に一律に義務付ける説明ではなく、比較の参考です。

例えば用具の幅だけが通れても、手が壁に当たる、ブレーキ操作ができない、介助者が横に立てない場合があります。メジャーの数字と一緒に、本人が止まる、向きを変える、扉を閉める動作を確かめます。

曲がり角・トイレ・寝室で戻れるか試す

廊下の直線部分を通れても、直角の曲がり角では用具の全長が影響します。玄関から居間、居間から寝室、寝室からトイレまで進み、行き止まりで向きを変えられるかを見ます。家具を置く予定位置は床に紙を置いて示すと残り幅が分かります。

トイレは出入口の幅に加え、便器へ近づく向き、扉が内側へ開くか、立ち座りで手を置ける場所を確認します。玄関では靴を脱ぐ動作、上がりかまち、腰掛けを置いた後の通路を見ます。

厚生労働省は、介護保険の住宅改修の対象例として手すりの取付け、段差の解消、扉の取替えなどを案内しています。ただし、賃貸で工事を行うには貸主や管理会社の承諾、制度上の事前確認が必要です。入居後に必ず改修できるとは考えず、申込み前に書面で相談します。

内見記録を候補ごとに同じ形で残す

記録表は、用具の最大幅・全長、共用入口、エレベーター、玄関扉、廊下、寝室、トイレ、段差、方向転換、保管場所の順にします。寸法の写真にはメジャーの目盛りと場所が一緒に写るようにし、撮影の許可を取ってください。

決め手は、本人が毎日通る経路を無理なく往復できることです。保留点は、家具を置いた後、体調が悪い日、介助が必要になった時、改修の承諾です。次の確認先を福祉用具専門相談員、介護支援専門員、管理会社、物件取扱窓口に分けます。

Villageナビでは候補物件を比較できます。空室や募集条件は変わるため最新表示を確認し、内見予約時に歩行器や車いすを使うこと、採寸したい場所を伝えてください。満室なら空き待ち登録も検討できます。

まとめ

玄関・廊下の採寸は、手持ちの歩行器や車いすの実寸から始めます。共用入口から居室までを一本の経路として、扉を開けた有効幅、段差、曲がり角、方向転換、家具を置いた後を確認しましょう。国の基準値は参考にとどめ、本人の動作と管理会社への確認を優先します。

よくある確認事項

廊下の幅が何cmあれば車いすで通れますか?

車いすのサイズ、操作方法、介助の有無、曲がり角で必要な空間が違うため、一つの数値だけでは判断できません。実機の最大幅と全長を測り、本人の動作で確認してください。

玄関扉はどこを測りますか?

枠の幅ではなく、扉を普段どおり開けた時に通れる最も狭い部分を測ります。扉の厚み、ドアノブ、引き残し、敷居の段差も記録します。

賃貸でも段差解消や手すり工事はできますか?

介護保険の住宅改修対象になり得ますが、賃貸では貸主・管理会社の承諾と制度の事前確認が必要です。申込み前に書面で相談してください。

参照情報

国土交通省|障害者の居住にも対応した住宅の設計ハンドブック確認日:2026-10-14
国土交通省|高齢者が居住する住宅の設計に係る指針確認日:2026-10-14
国土交通省|高齢者向け住宅に関する告示確認日:2026-10-14
厚生労働省|福祉用具・住宅改修確認日:2026-10-14
厚生労働省|介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱い確認日:2026-10-14

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